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アルツハイマー病新薬(レカネマブ・レケンビ®️点滴静注)について

■ 治療の対象

レカネマブ(レケンビ®)の投与対象はアルツハイマー病による軽度認知障害または軽症認知症に限定されます。アルツハイマー病以外による認知症の方や、アルツハイマー病による認知症であっても軽症ではない方は、投与対象外となります。

レカネマブ(レケンビ®)の投与対象になるかどうかは臨床診断に加えて、様々な検査によって厳格に規定されています(最適使用推進ガイドラインに従います)。特に重要なのが、脳へのアミロイドβの蓄積が認められることと、副作用リスクの高い特有の脳MRIの異常がないことです。

脳MRI検査で除外規定に当てはまらなかった場合は、アミロイドβの蓄積を証明する検査として、アミロイドPETまたは髄液検査があります。当院では腰椎穿刺によるバイオマーカー検査を受けていただきます。

上記の規定に従いますと、実際に投与対象となる方はかなり限定されるのが実情です。

◉ 実際の治療

レカネマブ(レケンビ®)の投与対象となった場合、外来で投与を開始します。2週間に一度来院していただき、静脈点滴で薬剤を投与します。点滴にかかる時間は約1時間半です。

使い始めの初期に、注射したときに頭痛、寒気、発熱、吐き気などが現れることがあります。必要に応じて、解熱鎮痛剤を処方します。

5人に1人の割合で脳出血や脳浮腫などの副作用が起こることがあります。そのために定期的な脳MRI検査を実施します。副作用の程度に応じて、休薬または中止することがあります。

◉ 特記事項

レカネマブは、アルツハイマー病の進行を低減させる可能性があっても、改善する薬ではありません。記憶障害の悪化が有意に(18ヶ月で27.1%)抑制されたことが報告されています。

薬価が比較的高額です。保険なしの場合:体重50kgの人で1回11万円、年間298万円となりますが、高額療養費制度の利用が可能です。

治療は原則18ヶ月(1.5年)継続して行われます。

◉ 受診の方法

レカネマブ投与を検討される方は、月曜日午後、木曜日午後、金曜日午後の脳神経内科外来を(電話にて休診でないことを確認のうえ)受診してください。初診の方は予約制ではありませんので、待ち時間が長くなることをご了承ください。また、可能な限り現在通院中の医師の紹介状をご持参ください。

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